森泉岳土×スタニスワフ・レム『ソラリス』、第30回手塚治虫文化賞マンガ大賞の最終候補に選出され世界展開へ

漫画

時代を超えるSF傑作『ソラリス』が手塚治虫文化賞マンガ大賞最終候補に

スタニスワフ・レムの不朽のSF小説を森泉岳土氏が漫画化した『ソラリス』が、朝日新聞社が主催する「第30回手塚治虫文化賞マンガ大賞」の最終候補作品に選出されました。この作品は、株式会社早川書房が運営するコミックサイト〈ハヤコミ〉から誕生し、日本国内だけでなく、世界各国へとその影響力を拡大しています。

連載中からSNSで大きな反響を呼び、刊行後も各メディアで高い評価を受けています。特に注目すべきは、英語圏、中国・台湾、ロシアでの出版が既に決定している点です。さらに原作者レムの故郷であるポーランドからもオファーが届くなど、国境を越えた展開を見せています。

ソラリス上巻表紙

作品概要:哲学的問いを投げかけるSFの金字塔

原作小説『ソラリス』は、1961年にポーランドで発表されたスタニスワフ・レムによるSF文学の傑作です。意識を持つ広大な海に覆われた惑星ソラリスを舞台に、人間の記憶、他者理解、そして真のコミュニケーションの不可能性といった深遠なテーマを問いかける哲学的な作品として、世界中で読み継がれています。

AIが急速に進化する現代において、「人間を超える知性とどう向き合うか」という作品のテーマは、改めて多くの人々の関心を集めています。

この原作は、アンドレイ・タルコフスキー監督とスティーヴン・ソダーバーグ監督によって二度にわたり映画化されており、その芸術的・哲学的な価値は広く認められています。また、「SFマガジン」2025年2月号のSFオールタイムベスト投票では第1位に輝くなど、SF史におけるその地位は揺るぎないものとなっています。

森泉岳土氏が手がけたコミック版は、深遠で難解とされてきた原作の世界観を、繊細かつ詩情あふれる筆致で見事に描き出しています。これにより、『ソラリス』はこれまで以上に幅広い読者層へと届けられるようになりました。

ソラリス下巻表紙

『ソラリス』(上・下)商品情報

  • マンガ: 森泉岳土

  • 原作: スタニスワフ・レム

  • レーベル: ハヤコミ(ハヤカワ・コミックス)

  • 発行: 株式会社早川書房

  • ブックデザイン: 鈴木成一デザイン室

  • 判型: A5判

  • 発売日: 2025年1月22日

  • 価格: 各1,980円(税込)

  • ISBN: 上巻:978-4-15-210399-4 / 下巻:978-4-15-210400-7

商品ページと試し読みはこちらです。

宇宙船と惑星のイラスト
ヘルメットを被った男性のイラスト

著者・原作者紹介

森泉岳土 Takehito Moriizumi(マンガ家)

1975年東京生まれのマンガ家です。2010年に「森のマリー」でデビューし、これまでに『カフカの「城」他三篇』、『報いは報い、罰は罰』、『セリー』、『村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」』、『爪のようなもの・最後のフェリー その他の短篇』、『アスリープ』、『仄世界』、『佐々々奈々の究明』などの作品を発表されています。また、義父である大林宣彦監督との日々を綴った著書『ぼくの大林宣彦クロニクル』もあります。

森泉氏の公式Xアカウントはこちらです。

スタニスワフ・レム Stanisław Lem(原作)

1921年、旧ポーランド領ルヴフに生まれた、20世紀を代表するSF作家です。『ソラリス』(1961年)はレム氏の代表作であり、世界的な傑作古典として広く知られています。アンドレイ・タルコフスキー監督とスティーヴン・ソダーバーグ監督によってそれぞれ映画化されたことでも有名です。その他の作品には『エデン』、『完全な真空』、『泰平ヨンの航星日記』、『泰平ヨンの未来学会議』などがあります。中欧の小都市からほとんど外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続けたことから、「クラクフの賢人」として知られ、2006年に亡くなりました。

マンガ家・訳者・編集部からのコメント

森泉岳土氏(マンガ家)コメント

「普段は墨と爪楊枝でマンガを描いていますが、本作『ソラリス』では鉛筆を使用し、地球側は「線」で描いて余白を、ソラリス側は黒々と「面」で描きました。これは、ふたつの世界が交わらないかもしれないということを絵で伝えたかったからです。手間のかかる画法ですが、作品には求められるタッチがあり、『ソラリス』のマンガ化にはこの描きかたが不可欠でした。

編集部から手塚治虫文化賞のノミネートの連絡を受けたときは、「本当かな」と信じられず、しばらく誰にも言えませんでした。それくらい驚きで、とても嬉しいです。ありがとうございます。原作者レム氏が描いた『ソラリス』が持つ、豊かなビジョンの魅力のおかげだと思います。」

沼野充義氏(『ソラリス』訳者、東京大学名誉教授)推薦コメント

「圧倒的な魔法のような筆力でエンディングに流れこんでいく! 感動的だ!」

ハヤコミ編集部コメント

「森泉さんが『「ソラリス」をやりたい』と仰ったとき、思わず『本当にやるんですか』と聞いてしまいました。あの難解な原作に真正面から挑んだことが、今回のノミネートに繋がったのだと思います。森泉さんの次回作はカズオ・イシグロ原作『夜想曲集』です。どうぞお楽しみに。」

〈ハヤコミ〉について

〈ハヤコミ〉は、創業81年の早川書房が2024年7月23日に開設した公式コミックサイトです。毎週火曜日に更新され、SF・ミステリ文学の「世界的名作×マンガ」のコミカライズを軸に、オリジナルコミックの発表の場としても拡充を進めています。

第一弾ラインナップには、『ソラリス』のほか、アガサ・クリスティー原作『そして誰もいなくなった』(マンガ:二階堂彩)、2022年本屋大賞受賞作のコミック化『同志少女よ、敵を撃て』(マンガ:鎌谷悠希、原作:逢坂冬馬)などがあります。『そして誰もいなくなった』は、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、中国語など11言語での翻訳出版が決定しており、さらなる国々からもオファーが届いています。

今後の展望

〈ハヤコミ〉は今後、世界的な文学作品のコミカライズに加え、オリジナルコミックのラインナップを本格的に拡充していく予定です。また、ハヤコミ作品の海外展開や映像化を視野に入れたIP(知的財産)開発を積極的に推進し、グローバルな読者・視聴者へのリーチを強化していく方針です。

〈ハヤコミ〉のウェブサイトと公式Xアカウントはこちらです。

手塚治虫文化賞について

手塚治虫文化賞は、故・手塚治虫氏の業績を記念して朝日新聞社が1997年に創設した賞です。第30回となる今回は、2025年に国内で刊行・発表されたマンガ作品を対象に選考が行われています。

手塚治虫文化賞の詳細はこちらで確認できます。

株式会社早川書房について

1945年8月に設立された株式会社早川書房は、東京都千代田区に本社を置く出版業を主な事業内容とする企業です。

公式サイトはこちらです。

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