こんにちは！今回は森見登美彦原作の小説・漫画・アニメで人気の「有頂天家族」の聖地巡礼スポットをご紹介します。この作品は京都に暮らす狸の家族を中心とした物語で、京都の美しい風景や文化が忠実に描かれています。2013年に放送された第1期から今年で10周年を迎え、今なお多くのファンから愛され続けている名作です。
本記事では「有頂天家族」の聖地巡礼スポットを徹底解説。主要スポットの特徴や見どころ、アクセス方法、さらには効率的な巡り方まで、聖地巡礼を楽しむための完全ガイドをお届けします。「面白きことは良きことなり！」の精神で、矢三郎たちが駆け回った京都の街を一緒に巡りましょう！
有頂天家族とは？作品概要と聖地巡礼の魅力
「有頂天家族」は、森見登美彦による小説を原作としたアニメ作品です。京都の下鴨神社・糺の森に暮らす狸の家族「下鴨家」を中心に、人間や天狗との関わりを描いたファンタジー作品です。
第1期は2013年7月から9月まで全13話、第2期は2017年4月から6月まで全12話が放送されました。P.A.WORKSによるアニメーション制作で、京都の風景が美しく細部まで再現されており、それが「有頂天家族」の聖地巡礼の最大の魅力となっています。
物語は、下鴨神社に住む狸の名門・下鴨家の三男である矢三郎を中心に展開します。狸界の頭領であった父・総一郎は「狸鍋」にされてしまい、残された四兄弟は父の意思を継ぎながら、宿敵の夷川家や「金曜倶楽部」と呼ばれる狸を捕らえて鍋にする人間たちとの攻防を繰り広げます。
「面白きことは良きことなり！」という作品のテーマは、京都という古都を舞台に繰り広げられる奇想天外な物語とともに、多くのファンの心を掴んでいます。
有頂天家族の主要聖地巡礼スポット10選
下鴨神社 – 狸の一族が暮らす本拠地
見どころ：「有頂天家族」の舞台の中心となる場所です。正式名称は「賀茂御祖（かもみおや）神社」で、世界遺産にも登録されています。作中では矢三郎たち下鴨家の狸一族が糺の森に暮らしていることになっています。
森見先生は学生時代にこの地域で実際に狸を見かけた経験が物語のきっかけになったと言われています。作中の境内は、現在よりも豊かな自然が残っていた頃の姿で描かれていて、静かな森の雰囲気はまさに物語の世界そのものです。
アクセス：京阪「出町柳駅」から徒歩約6分、または市バス「下鴨神社前」「糺の森」から徒歩すぐ
住所：京都市左京区下鴨泉川町59
六道珍皇寺 – 矢二郎が隠棲する井戸
見どころ：地元では「六道さん」の愛称で親しまれているお寺です。作中では下鴨家の次男・矢二郎が引きこもっている「冥途通いの井戸」があることで知られています。長い間、蛙に化けていたため狸に戻れなくなった矢二郎は、家族の中で唯一森ではなくこの井戸で暮らしています。
また、この井戸は矢三郎の初恋の女性・弁天が、夜になると前で涙を流すというロマンチックなシーンにも登場します。井戸は平安初期の官僚・小野篁が冥土に通うために使ったという伝説が残っており、通常の拝観では庭に立ち入ることはできませんが、本堂の格子窓から覗くことができます。
アクセス：京阪「清水五条駅」から徒歩約12分
住所：京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町595
珈琲蔦家 – アニメファン聖地となった喫茶店
見どころ：六角堂のすぐそばにある1986年創業の喫茶店で、アニメ「有頂天家族」の聖地として多くのファンが訪れています。レトロな雰囲気の店内にはたくさんのティーカップが並び、自家製珈琲と蔦家プリンが人気です。
特筆すべきは「有頂天家族ラテ」という特別メニュー。下鴨家の四兄弟がデザインされたラテアートが楽しめます。店内には森見登美彦先生の直筆メッセージも飾られており、ファンにとっては見逃せないスポットです。
注意点：全席喫煙可能なので、タバコを吸わない方や妊婦の方は事前に確認することをおすすめします。
アクセス：地下鉄「烏丸御池駅」5番出口から徒歩約3分
住所：京都市中京区御射山町東洞院通六角下る260 ロイヤルプラザビル
営業時間：9:00～17:00（定休日：日曜日）
出町柳周辺 – 鴨川デルタと桝形商店街
見どころ：出町柳駅周辺は「有頂天家族」の物語の中で重要な場所です。特に鴨川と高野川が合流する「鴨川デルタ」は、作中でも度々登場します。また、「出町桝形商店街」も矢三郎が走り抜ける場所として描かれています。
出町橋は「鯖街道」の起点としても知られ、矢三郎が毎日毛玉姿（狸の姿）で走り抜ける場所として登場します。この周辺は下鴨家の生活圏として設定されており、日常生活の雰囲気を味わうことができます。
アクセス：京阪・叡山電車「出町柳駅」から徒歩すぐ
そば処司津屋 – 作中の「竹林亭」のモデル
見どころ：作中では「そば処竹林亭」として登場するお店です。出町柳の桝形商店街の向かいにあり、店の外観から店内の細かな備品まで、アニメで描かれているものとほとんど一致しています。
老人に化けた矢三郎も食べていた玉子丼は、現在も蕎麦と並ぶ人気メニューです。鰹と昆布から作られる蕎麦だしをふんだんに利かせた、シンプルな味付けが特徴です。国内外のアニメファンに人気のスポットとなっています。
アクセス：京阪「出町柳駅」から徒歩約8分
住所：京都市上京区立本寺前町81-1
営業時間：11:00～15:00、17:00～20:00
三嶋亭 – 金曜倶楽部が集う老舗すき焼き店
見どころ：弁天の怒りを買った矢三郎が、その代償として宴会で余興をすることになった場所です。「金曜倶楽部」のメンバーの前で見事な七変化を披露するシーンが印象的です。
明治初期に建てられた京町家造りの店構えは風情があり、老舗すき焼き店として地元でも人気があります。特に五代目店主・三嶌太郎氏の考案による日本料理とすき焼きを融合させた特別コースは、「金曜倶楽部」のメンバーもうならせるような逸品です。
アクセス：地下鉄「京都市役所前駅」から徒歩約5分
住所：京都市中京区寺町通三条下ル桜之町405
営業時間：精肉販売 9:00～18:30、レストラン 11:00～21:00（L.O. 20:30）
寺町京極商店街 – 繰り返し登場する京都の繁華街
見どころ：京都の中心部にある繁華街で、作中でも度々登場します。特に印象的なシーンは、「金曜倶楽部」を抜け出した矢三郎、弁天、淀川教授が満月の夜にアーケードの上の作業用通路を歩くシーンです。
安土桃山時代に豊臣秀吉によって造営された通りで、老舗店と新しい店が混在する京都らしい商店街です。アーケードの屋根の上を見上げながら、作品の世界に思いを馳せることができます。
アクセス：阪急「京都河原町駅」から徒歩すぐ
住所：京都市中京区寺町通り三条～四条間
南座 – 弁天と赤玉先生の逢瀬の場所
見どころ：矢三郎の師匠でもある天狗の赤玉先生が、神通力を失って飛ぶことすらできないにもかかわらず、恋心を燃やす弁天に会おうと指定した場所が祇園の「南座」です。
正面のレストランから南座の屋根に軽やかに飛び移る弁天と、彼女に会おうと必死で屋根にしがみつく赤玉先生の切ない光景が描かれています。江戸時代初期から続く日本最古の歴史を持つ劇場で、現在も多彩な演目が行われています。
アクセス：京阪「祇園四条駅」から徒歩すぐ
住所：京都市東山区四条大橋東詰
BARノスタルジア – 「朱硝子」のモデル
見どころ：作中では「朱硝子」という名前で登場する狸たちの行きつけのバーです。自らの死を受け入れた矢三郎たちの父・総一郎が赤玉先生と最期の酒を酌み交わすシーンで強い印象を残しています。
店の名前や構造は実際とは異なる点がありますが、落ち着いた雰囲気は本物です。森見登美彦作品のファン間では有名な聖地で、森見先生の直筆メッセージやファンの交流ノートも置かれています。『夜は短し歩けよ乙女』にも登場する「偽電気ブラン」というドリンクも楽しむことができます。
アクセス：地下鉄「京都市役所前駅」から徒歩約2分
住所：京都市中京区河原町通三条上ル下丸屋町406 グリントランドビルB1F
営業時間：17:00～翌2:00
叡山電車 – 偽叡山電車に変身した矢二郎
見どころ：下鴨家の偉大なる父・総一郎が好んで乗っていた交通機関です。次男の矢二郎が「偽叡山電車」に化けるシーンも印象的です。
10周年を記念して車体に下鴨家の四兄弟と弁天の描き下ろしイラストがあしらわれたラッピング車両が運行されているほか、鞍馬駅に保存されているデナ21型車両が期間限定で矢二郎が化けた「偽叡山電車」に姿を変えています。
アクセス：京阪「出町柳駅」から叡山電車に乗車
効率的な有頂天家族の聖地巡礼モデルコース
1日コース：主要スポット巡り
午前
- 京都駅スタート → JR奈良線で「東福寺駅」へ
- 京阪に乗り換えて「出町柳駅」へ → 叡山電車に乗車して「鞍馬駅」で「偽叡山電車」を見学
- 叡山電車で「出町柳駅」に戻る → 鴨川デルタと出町桝形商店街を散策
- 「そば処司津屋」で昼食（玉子丼がおすすめ）
- 下鴨神社へ徒歩移動 → 糺の森を散策
午後
- バスまたは市営地下鉄で「烏丸御池駅」へ → 「珈琲蔦家」でひと休み
- 「三嶋亭」を外観見学
- 寺町京極商店街を南下 → 「BARノスタルジア」へ（営業時間に注意）
- 「四条大橋」と「納涼床」を見学
- 「南座」へ
- 最後に「六道珍皇寺」へ（東山方面へ移動）
半日コース：市内中心部集中コース
市内中心部半日コース
- 烏丸御池駅スタート → 「珈琲蔦家」でモーニング
- 三嶋亭（外観見学）
- 寺町京極商店街を散策
- 四条大橋・鴨川納涼床を見学
- 南座を見学
- 六道珍皇寺へ
有頂天家族10周年記念イベントと限定グッズ情報
「有頂天家族」の第1期放送から10周年を記念して、様々なイベントが開催されています。
スタンプラリー
「TVアニメ『有頂天家族』放送10周年記念 京巡りスタンプラリー」が2024年3月30日(土)～12月26日(木)まで開催中です。京都市内5つのポイントにあるスタンプを集めると、描き下ろしイラストを使用した限定クリアファイルがもらえます。
スタンプポイント
- 大垣書店 京都ヨドバシ店
- アニメイト京都
- 京都ぎょくろのごえん茶 寺町店
- 下鴨神社
- 叡山電車 鞍馬駅
叡山電車ラッピング車両
叡山電車では車体を描き下ろしビジュアルで装飾したラッピング車両が運行中です。また、鞍馬駅に保存されているデナ21型車両が、期間限定で矢二郎が化けた「偽叡山電車」になっています。
10周年記念グッズ
下鴨家の四兄弟と弁天の描き下ろしビジュアルを使用したグッズが「アニメイト京都」「下鴨神社授与所」などで販売中です。おふきmini、トートバッグ、あぶらとり紙、アクリルスタンドなど様々なアイテムが揃っています。
聖地巡礼の際の注意点とおすすめシーズン
注意点
- 神社やお寺などの聖地は信仰の場でもあるため、マナーを守って参拝しましょう
- 一部のスタンプポイントは営業時間が早め（鞍馬駅は16時まで、下鴨神社は17時まで）なので計画を立てる際は注意が必要です
- 京都の夏は非常に暑く湿度も高いため、暑さ対策は万全にしておきましょう
- 移動距離が長いので、公共交通機関を上手に活用すると効率よく巡れます
- 地下鉄や地下道を活用すると、日差しを避けて移動できます
おすすめシーズン
- 春（3月～5月）：桜の季節は京都が最も美しい時期です。特に下鴨神社の糺の森は桜が美しく、アニメの世界観を感じやすいでしょう
- 秋（10月～11月）：紅葉の季節も京都らしい風景を楽しめます。特に下鴨神社や鴨川周辺は紅葉が美しいです
- 冬（12月～2月）：観光客が少なく、静かに聖地巡礼を楽しむことができます
まとめ：有頂天家族の世界を体験する京都の旅
「有頂天家族」の聖地巡礼は、京都の歴史ある街並みと現代が交差する魅力を存分に味わえる旅です。本記事で紹介した10カ所の聖地は、それぞれがアニメの中で印象的なシーンの舞台となっており、実際に訪れることで物語の世界観をより深く体験することができます。
特に下鴨神社の静かな糺の森や、六道珍皇寺の冥途通いの井戸、そして珈琲蔦家などは、作品の雰囲気をそのまま感じられるスポットです。また、京都の街並みや文化、食事なども含めて楽しめるのが「有頂天家族」聖地巡礼の大きな魅力と言えるでしょう。
「面白きことは良きことなり！」という作品のメッセージのように、好奇心を持って京都の街を歩けば、きっと新たな発見や感動が待っています。ぜひこの記事を参考に、あなただけの「有頂天家族」聖地巡礼の旅を計画してみてください。
10周年を記念したイベントやグッズも要チェックです。限定のスタンプラリーやラッピング電車など、今だけの特別な体験ができるチャンスです。矢三郎たちが駆け回った京都の街で、「有頂天家族」の世界に浸る旅を楽しんでください！
最後まで読んでいただきありがとうございます。もし「有頂天家族」の聖地巡礼に行かれた際は、ぜひ感想や写真を共有してください。また、他にも素敵な聖地スポットを見つけた方は、コメント欄でお知らせいただけると嬉しいです。「面白きことは良きことなり！」の精神で、有頂天な京都の旅をお楽しみください！
