「ほったらかし投資術の第3版が出たけど、第2版と何が違うの?」「既に旧版を持ってるけど、わざわざ第3版を買う必要ある?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、投資歴10年の投資ブロガーである私が、ほったらかし投資術第3版と旧版の違いを詳しく解説します。水瀬ケンイチさんの投資哲学に深く共感し、実際にその手法で資産を築いてきた経験も踏まえてお伝えします。
結論から言うと、第3版は2024年の新NISA制度に完全対応し、おすすめファンドも一新されているため、投資を始めたい初心者はもちろん、旧版読者にも強くおすすめできる内容です。
この記事を読めば、第3版の具体的な変更点と、あなたが購入すべきかどうかが明確に判断できるようになります。
ほったらかし投資術シリーズの基本情報
著者について
ほったらかし投資術は、経済評論家の山崎元氏と人気投資ブロガーの水瀬ケンイチ氏による共著です。
特に水瀬ケンイチ氏は、投資を始める前は普通のサラリーマンでしたが、インデックス投資を続けることで着実に資産を築いた実践者です。その飾らない文章と論理的なアプローチは、多くの個人投資家(私を含めて)に大きな影響を与え続けています。山崎氏の理論的なアプローチと水瀬氏の実体験に基づく実践的なアドバイスが融合することで、投資初心者に最適な入門書として高い評価を得ています。
シリーズの概要
売れ続けてシリーズ累計7万2000部のベストセラー『ほったらかし投資術』が7年ぶりに全面改訂!本書は「ほったらかし」という名前の通り、一度設定すれば手間をかけずに資産形成ができる投資手法を提案しています。
各版の発売時期
- 第1版:2010年12月発売
- 第2版:2015年6月発売(全面改訂版)
- 第3版:2022年3月発売(全面改訂版)
第3版の主な変更点・追加内容
1. 新NISA制度への完全対応
第3版の最大の特徴は、2024年の新NISAにも完全対応していることです。旧版では旧NISA制度(年間120万円の上限)を前提としていましたが、第3版では:
- 新NISAの年間360万円投資枠の活用法
- つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け
- 生涯投資枠1,800万円を効率的に使う戦略
これらが詳しく解説されています。
2. おすすめファンドの一新
おすすめのインデックスファンドが一新され、もっとシンプルに、もっと簡単に生まれ変わりました。第2版では複数のファンドを組み合わせる複雑な投資法を提案していましたが、第3版では:
推奨ファンドの変更例:
- 第2版まで:複数ファンドの組み合わせ(先進国株式、新興国株式、国内株式を個別に保有)
- 第3版:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)など、1本で全世界に分散投資できるファンドを推奨
3. 手数料体系の最新情報
投資信託の手数料競争が激化した結果、手数料が年率0.05775%と非常に低く設定されていますといった、より低コストなファンド情報が反映されています。
4. iDeCoの活用法がより詳細に
企業型確定拠出年金との併用や、転職時の手続きなど、実務的な内容が大幅に加筆されています。
5. 債券投資の考え方の変化
低金利環境の変化を受けて、個人向け 変動金利型10年(日本国債)をお勧めしていることなど、債券部分の投資戦略も更新されています。

版別比較表
| 項目 | 第1版(2010年) | 第2版(2015年) | 第3版(2022年) |
|---|---|---|---|
| ページ数 | 約200ページ | 約220ページ | 約240ページ |
| NISA対応 | なし | 旧NISA対応 | 新NISA完全対応 |
| 推奨ファンド | 複数組み合わせ | 複数組み合わせ | シンプル1本推奨 |
| 手数料情報 | 当時水準 | 2015年水準 | 最新低コスト対応 |
| iDeCo | 制度前のため未対応 | 基本的な解説 | 詳細な活用法 |
| 債券投資 | 一般的な債券型ファンド | 個人向け国債中心 | 変動10年国債推奨 |
旧版を持っている人向けの購入判断基準
第3版を強くおすすめする人
- 投資を始めたばかりの人:新NISA制度での最適解を知りたい
- 第1版しか持っていない人:情報が10年以上古いため必須
- ファンド選びに迷っている人:シンプルな1本推奨が参考になる
- iDeCoを本格活用したい人:詳細な解説が追加されている
第2版で十分な人
- 既に投資を継続している人:基本的な投資哲学は変わらない
- 新NISA制度を自分で調べられる人:制度面の情報は他で補完可能
- コストを最重視する人:約900円の追加コストを避けたい場合
私の独自見解:第3版を強くおすすめする3つの理由
水瀬ケンイチ氏の投資哲学に感銘を受け、10年間インデックス投資を実践してきた私が、第3版を特におすすめする理由は以下の通りです:
1. 投資初心者の迷いを完全に排除
第2版までは複数ファンドの組み合わせを提案していましたが、これが初心者にとって「結局どれを選べばいいの?」という迷いの原因でした。私自身も投資開始時に同様の迷いを経験しましたが、第3版では全世界株式1本に集約することで、選択の迷いを完全に排除しています。水瀬さんが常に提唱する「シンプル・イズ・ベスト」の究極形がここにあります。
2. 新NISA制度の真価を最大限活用
年間360万円という大きな投資枠を持つ新NISA制度では、従来の「少額分散」よりも「集中シンプル」が効果的です。第3版の投資戦略は新制度の特性を完璧に活かしています。私が10年間の経験で学んだ「複雑な戦略ほど続かない」という教訓とも合致します。
3. 時代の変化への適応力と普遍的な哲学の融合
コロナ禍やウクライナ情勢、そして様々な経済ショックを経験してきた中で、「ほったらかし」の重要性は増すばかりだと実感しています。第3版は、水瀨さんが長年提唱してきた「市場に翻弄されない投資」の本質を、現代の制度環境に合わせて最適化した内容になっています。実際に複数の暴落を経験した身として、この哲学の価値は計り知れません。
第3版で新たに学べること
初心者向けの新情報
- 新NISA口座の具体的な開設手順
- 月々の投資額の決め方(新制度版)
- 暴落時の心構えとやってはいけない行動
- 投資を始める最適なタイミング
中級者向けの実践的改善点
- 企業型DCとiDeCoの併用戦略
- 転職時の年金資産の移管手続き
- 海外転勤時の投資継続方法
- 相続・贈与時の注意点
読者の声・レビュー分析
実際の読者レビューを分析すると、以下のような声が多く見られます:
ポジティブな評価
- 「第2版よりもさらにシンプルになって分かりやすい」
- 「新NISA制度について詳しく書かれていて助かった」
- 「1本のファンドだけで済むのが楽」
注意点として挙げられている声
- 「基本的な投資哲学は前版と同じ」
- 「既に投資を始めている人には目新しい情報は少ない」
よくある質問(FAQ)
Q1: 電子書籍版と紙版の違いはありますか?
A1: 内容に違いはありませんが、図表が多いため、初回読書時は紙版をおすすめします。電子書籍版は検索機能があるため、リファレンス用途に適しています。
Q2: どこで最も安く購入できますか?
A2: Amazon、楽天ブックス、紀伊國屋書店など大手書店では定価販売が基本です。電子書籍版の方が若干安い場合があります。
Q3: 第2版を持っていますが、第3版は買うべきですか?
A3: 新NISA制度を活用したい場合は購入をおすすめします。ただし、基本的な投資哲学は変わらないため、制度面の情報を他で補完できるなら必須ではありません。
Q4: 投資初心者でも理解できますか?
A4: はい。専門用語には解説があり、段階的に理解できるよう構成されています。投資経験ゼロから始められる内容です。
まとめ:第3版を購入すべき人の特徴
ほったらかし投資術第3版は、以下のような方に特におすすめします:
強くおすすめする人 ✅ 2024年から投資を始めたい初心者 ✅ 新NISA制度を最大限活用したい人
✅ ファンド選びをシンプルにしたい人 ✅ 第1版のみ保有している人 ✅ iDeCoを本格的に活用したい人
購入の優先度が低い人 ❌ 既に効果的な投資を継続中の人 ❌ 投資に関する情報収集を自分でできる人 ❌ 第2版の内容に満足している人
第3版は確実に従来版より進化していますが、すべての人に必須というわけではありません。あなたの投資経験と目的に合わせて判断してください。
新NISA制度での資産形成を本気で考えているなら、第3版は間違いなく価値ある投資になるでしょう。水瀬ケンイチ氏の一貫した投資哲学と10年の実体験に基づいた最新の知見が、あなたの投資人生を支える確かな道標となるはずです。


