なぜ死ぬことが「しあわせ」なのか? NHKブックス最新刊『日本人の死生観を問う 「やまと言葉」の倫理学』が発売

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NHKブックス最新刊『日本人の死生観を問う 「やまと言葉」の倫理学』が発売

書籍表紙

2026年2月25日、NHK出版から「NHKブックス」の最新刊として、東京医療保険大学准教授の山本伸裕さんによる『日本人の死生観を問う 「やまと言葉」の倫理学』が発売されました。本書は、「何を目指して生き、どう死に臨めばよいのか?」という究極の問いに対し、欧米の思想に答えを求めるのではなく、日本語の中に込められたヒントを見出すことを提案しています。

「やまと言葉」から紐解く日本人の死生観

本書は、日本思想史家である山本伸裕さんが、日常的に人の老・病・死に接する看護師学生を相手に説いてきた講義のエッセンスをまとめたものです。題材となっているのは、外国語が伝来する以前から日本にあった「和語=やまと言葉」です。「もの」や「こと」から始まり、「ま(間)」や「あんばい」の語源を明らかにすることで、日本人の「倫理の基本構造」が「あわい」という概念にあることが見えてきます。この「あわい」という精神は、人生の節目で使われる様々な言葉にも見出されるとされています。

納得して「生ききる」ために触れておきたい、日本人による日本人のための「はじめての死生学」講義として、多くの読者に新たな視点を提供する内容です。

本書の構成

本書は、序章から終章まで、日本人の死生観を多角的に掘り下げています。

序章 日本人の「もの」の見方

「人」と「人間」の違い、文化的無意識、そして「もの」を語るという視点から、日本語の多重性、文法と思考、日本思想の基層を解説しています。特に「あわい」の思想に焦点を当て、「間合い」をはかることや「仕合せ」の創出といった日本独自の倫理観を探ります。

第一章 生成する「いのち」

「生かされた命」と「おのずからの命」という二つの側面から、遍満する命や「生」の課題について考察します。国土の生成や「双神」の出現といった神話的な視点から、国をつくる命、生む命、むす命といった「いのち」の生成の根源に迫ります。

第二章 つながる「いのち」

「命の儚さ」を「機械論」と「生気論」の対比から捉え、動的平衡や「素」の世界について論じます。食と健康、天地の恵み、「稲」と日本人といった視点から「命を保つ」ことの重要性を説き、受け継がれる命、子は宝、世の幸いといった「子孫繁栄を願う」日本人の精神を紐解きます。

第三章 「老」に向き合う

人生の四季になぞらえ、幼少期から「大人」になるまでの「成長期」を考察します。「壮年期の美徳」として人間の成熟や「大人」の条件、心身の衰微について語り、「老いの諸価値」として老いと成熟、敬老の精神、常若の思想といった、日本人が老いに対して抱く価値観を深掘りします。

第四章 「病」の諸相

「治療」と「療治」という言葉の違いから、西洋医学と東洋医学、そして日本の医療の発想を比較します。「患者の苦悩」として「病気」とは何か、誰が患者か、傷病の体験といった問いを投げかけます。さらに、医は仁術なり、医療者の務め、患者を癒すという視点から「病からの回復」について考察します。

第五章 「死」と向き合う

「日本人の無常観」として憂き世の生、生死の境、他者の死といったテーマを探ります。「自己の死」については不慮の死、死の受容、生死を諦めるという側面から論じ、「さよう」の確認として別れの倫理、始末をつける、見事な人生といった、日本人が死に際して大切にする考え方を詳述します。

第六章 「死者」を弔う

「死に向き合う」こととして、死者を葬ること、「遺体」か「死骸」か、死後の世界といった問いを立てます。「魂の行方」については仏教と葬送、さまよう魂、惨めな死といった概念を扱い、亡霊の訴え、「弔い」の意義、御霊を祀るといった「死者を祀る」行為の背景にある思想を解説します。

終章 美しき人生

「強さと弱さ」として強さの美徳、強さと脆さ、弱さの美徳といった人間の多面性を描きます。「あわいの生」では無様な生き方、恋の至極、頑張らない生き方といった、日本人が考える理想的な生き方について言及します。そして、「花は散らない」という言葉に込められた素敵な世界、優しい振る舞い、人生を仕合わすという、日本人の人生観の真髄を提示します。

著者について

著者の山本伸裕(やまもと・のぶひろ)さんは、東京医療保健大学准教授です。1969年生まれで、倫理学、日本思想史、仏教学を専攻されています。東京大学文学部倫理学専修課程を卒業後、東洋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学、大谷大学)の学位をお持ちです。親鸞仏教センター研究員、東京大学東洋文化研究所研究員を経て現職に至っています。

これまでの著書には、『「精神主義」は誰の思想か』(法藏館)、『清沢満之と日本近現代思想』(明石書店)、『清沢満之の宗教哲学』(筑摩選書)など専門書があります。一般向けの著書としては、『他力の思想――仏陀から植木等まで』、『日本人のものの見方――〈やまと言葉〉から考える』(ともに青灯社)があります。

商品情報

書籍商品情報

  • 書名: 『日本人の死生観を問う 「やまと言葉」の倫理学』

  • 著者: 山本伸裕

  • 発売日: 2026年2月25日

  • 定価: 1,870円(税込)

  • 判型: B6判並製

  • ページ数: 288ページ

  • ISBN: 978-4-14-091299-7

  • 出版社: NHK出版

本書は以下のECサイトで購入可能です。

NHKブックスについて

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「NHKブックス」は、1964年1月に創刊された、新書より少し大きい「選書」シリーズです。日本で最も長い歴史を持つレーベルとして知られています。創刊当初から一貫して「第一線の研究者が、一般の人へ向けて書く教養書」という方針を守り続けており、幅広い分野の知識を提供しています。

NHKブックスに関する詳細情報は、以下の特設ページで確認できます。

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