『花ざかりの方程式』の魅力
この作品集は、論理と切なさがまじわる9つの物語で構成されています。流体力学などを参照した独自の法則に基づいた「理系文学」的な世界観が特徴です。また、カフカ、ボルヘス、ヴォネガット、カルヴィーノ、漱石といった文学への深い愛も感じられます。
SFや純文学としての高い強度と豊かな想像力を備えながらも、物語の中心には、どこか不器用な家族の歴史、将来に悩む若者の姿、孤独を抱えて旅をする人間の生涯といった、きわめて「個人的な物語」が据えられています。
「世界がどこかで『つながっている』という奇跡を知る瞬間の新鮮な驚異」や、「無限に広がる宇宙に存在する誰もが、胸の奥底に抱える途方もない孤独と切なさへの共鳴」といったテーマが、読者の心に響くことでしょう。「論理的でありながらも、どこか切ない」リリカルなセンスオブワンダーに満ちた作風は、大滝瓶太作品の唯一無二の魅力となっています。
推薦コメント
本作には、作家・声優の池澤春菜さんと、女優・読書YouTube「ほんタメ」MCの齋藤明里さんから推薦コメントが寄せられています。
世界は、
気づかれないまま何度も計算されている
この物語もまた、そのひとつだ
――池澤春菜(作家・声優)全ての物事は、どこかの時間で、どこかの世界で、
繋がっているのかもしれない
――齋藤明里(女優・読書YouTube「ほんタメ」MC)
お二人のコメントからも、本作が持つ深遠なテーマと感動が伝わってきますね。
収録作品のご紹介
『花ざかりの方程式』には、全9編の連作短編が収録されています。それぞれの物語に、大滝瓶太さんならではの視点と世界観が凝縮されていますよ。

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未来までまだ遠い
天文台から過去を打ち上げ、未来を撃ち落とす世界で生きる、幼なじみ2人の夢と希望を描いた物語です。 -
騎士たちの可能なすべての沈黙
異貌の数学者の父と子がチェスを通して不器用な対話を交わす、数学の中の孤独をめぐる物語。 -
ソナタ・ルナティカOp.69
退屈すぎるがゆえに「究極」となったソナタとその作者、音楽と不可能性をめぐる逸話です。 -
誘い笑い
就職活動がうまくいかない大学生が、ある特異な芸風の夫婦漫才師にのめり込む、読点のないお笑い小説。 -
ザムザの羽
無名の数学者が発表したカフカ『変身』にまつわる「異常論文」風のメタ数学/文学ミステリ小説です。 -
演算信仰
2021年、究極の思考理論に目覚めた男が起こした東京オリンピック自爆テロ事件の顛末を暴く、思考実験SF。 -
コロニアルタイム
遠い未来に占領され、世界が不可知の塊となった時空間での多元性を叙情的に描く物語です。 -
白い壁、緑の扉
H・G・ウェルズの同題の短編を丸ごと作中に織り込み、一人の男の哀切な人生を描き切った超絶技巧の怪作。 -
花ざかりの方程式
2次項の末端に花が咲く方程式を発見した数学者とその家族たちの、美しく切ないファミリーヒストリーです。

初回出荷限定特典
初回出荷限定で、北村みなみさんによるカバーイラストのポストカードが封入されます。北村みなみさんは、『らんま1/2』のEDアニメーションやWIREDでの漫画連載など、イラスト・アニメーション・コミックで幅広く活躍されている方です。ファンの方はぜひ手に入れてくださいね。
著者紹介

大滝瓶太(おおたき びんた)
1986年生まれ、兵庫県淡路市出身の作家です。2018年に第1回阿波しらさぎ文学賞を受賞し、同年『たべるのがおそい』(書肆侃侃房)に短編「誘い笑い」が掲載されデビューしました。以来、純文学やSFを中心に文芸誌で小説を発表し、2023年には長編ミステリ『その謎を解いてはいけない』(実業之日本社)を刊行しています。また、独自のバックグラウンドを活かした読書エッセイ『理系の読み方』(誠文堂新光社)も高く評価されています。
新刊情報

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書名: 花ざかりの方程式
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著者: 大滝瓶太
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仕様: 46判/並製/264頁
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発売日: 2026年3月12日
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税込定価: 2,090円(本体価格1,900円)
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ISBN: 978-4-309-03257-3
電子書籍版は4月以降に発売される予定ですので、詳細は各電子書籍ストアでご確認くださいね。
ミステリ、SF、純文学の垣根を越え、いま最も勢いのある新鋭作家・大滝瓶太さんの初のSF作品集『花ざかりの方程式』。論理と切なさが交錯する、心揺さぶる9つの物語をぜひ体験してみてください。


